尿もれ

咳をした瞬間、ドキッとしたことありませんか?
産後の尿もれ
その傾向と対応策

咳やくしゃみをした瞬間のちょっとした尿もれ…

40代後半以降の女性に多く見られるトラブルで、その90%は出産経験者です。

尿もれとは、自分の意志とは関係なく突然、尿がもれてしまうことでその量は人それぞれ。

腹圧性尿失禁」がほとんどですが、なかには「切迫性尿失禁」というものもあります。

どちらともデリケートなことなので、なかなか相談もしにくく、ひとりで悩んでいる女性は多いものです。

そのメカニズムとケアについてみていきましょう。

<尿もれってどんなもの?>

産後の尿もれは大きく分けて2種類。

大体3~4か月頃には落ち着くことが多く、一時的なものです。

90%以上の産後の尿失禁は1年以内に軽快しますので、あまり深刻にならないようにしましょうね。

「腹圧性尿失禁」

ほとんどがこのタイプ。

妊娠や出産によって産道まわりを引き締めている「骨盤底筋」が弱くなったり緩んでいるために起こります。

妊娠中に大きくなっていく子宮や赤ちゃんを支えているのが「骨盤底筋

ハンモックのように支えているもので、妊娠中は負担が大きいのです!

さらにお産でも負担が…

赤ちゃんが大きかったり、吸引分娩や鉗子分娩などもダメージを受けやすいです。

伸びた骨盤底筋は子宮などをしっかり支えられなくなります。

その下がった内臓が膀胱を圧迫して尿道口を締め付けられなくなるのです。

「切迫性尿失禁」

頻度は少ないですが、同じように尿もれとなります。

「トイレに行こうと思っていたのに、間に合わずに漏れてしまう」

というもの。

メンタルも影響するので、あまり神経質になりすぎないことが大事です。

<改善方法>

一回で、一日で治るものではないので毎日の生活に取り入れていくのがいいでしょう。

焦らず、コツコツ…


①骨盤底筋を鍛える

妊娠やお産で緩んだ筋肉を引き締める、この2つは産後直後でもできるのでオススメです。

1)お尻の穴をキュッと締める~その①

下腹部に力を入れてトイレで尿を止めてみる。

骨盤底筋が弱っていると意外と難しいですが、気が向いたときでいいので試していきましょう。そのうち、尿を一時的に止められるようになります。

骨盤底筋が復活した証拠!

2)お尻の穴をキュッと締める~その②

イスに座ったまま、立ったまま、電車に乗っているとき…
いつでもどこでも、誰にもバレずにできます!

・息を吸いながらお尻の穴をじわ~と締める
・息を吐きながらお尻の力を抜く

ポイントはじわ~と締めること。

②腹筋をつける・取り戻す

産後の体でも負担のないストレッチで腹筋を元に戻しましょう。

内ももを意識するので脚痩せ効果も??
呼吸を止めずに行い、腰を反らせないこと。

1)寝たまま開脚 <目標>1セット10回 × 10セット

・仰向けになって両足を90度まで上げる
・できる範囲で開脚し、内ももの筋肉を伸ばす
・内ももを意識しながら元に戻す

③骨盤を整える・支える

骨盤ベルトの着用も効果があることも。
できれば産後「すぐ」分娩台の上で巻くのが◎

赤ちゃんが産道を通った直後は、

骨盤の形がきれいに整っているんです。

一歩でも歩いたら骨盤はまた歪みます…

たとえ分娩台から降りた後でもいいので、早めに骨盤を正しい位置に戻すようにしましょう。

間違ったつけ方では意味がないので、きちんとサイズがあったものにすること、正しい方法で使いましょう。

④ダイエットで体重コントールする

産後すぐのダイエットはオススメしませんが、産後半年も経てば体調見ながらOK

授乳もあり、子育てという不規則な生活なので極端なダイエットはダメですよ!

肥満」の場合は少し体重コントロールしていくと尿もれ対策になると言われています。

<まとめ>

産後に「ドキッ」としてしまう尿もれ。

デリケートな問題なのでなかなか相談できずに一人で抱え込んでしまうことも多いです。

成人女性の3~5人に1人は尿もれ経験者といわれています。
意外と多いと思いませんか?

みんな尿もれの経験があるんだ~くらいにとらえていいでしょう。

下着をこまめに替えたり、吸水ライナーなどを使って清潔を心がけることも大切ですね。

しかも、ほとんどの人が1年以内には治っていますから深刻になりすぎず、できる範囲で骨盤底筋を意識した生活にしてあげましょうね。

お産でのダメージを受けてすぐの産後1か月は無理しないように。

赤ちゃんのお世話以外は寝て過ごすこと!

子宮も体も回復しようと頑張っているこの時期に無理をすると、産後だけでなく更年期にも影響が出てきます。

無理は禁物です。

産後に骨盤底筋を元に戻し、鍛えておくことで更年期の頃に起こる尿もれの予防にも◎

産後しばらく経って半年~一年以上も治らない場合は、筋肉のゆるみだけが原因ではないこともあります。

加齢、子宮下垂、体重増加などの可能性がありますので、泌尿器科で相談することをオススメします。