ヨガ

マタニティヨガはメリットだらけ?
「ご安産」を目指しましょう
その傾向と対応策

マタニティヨガは妊婦さん向けのヨガで「鍛える」要素よりも、自分自身やお腹の赤ちゃんと対話することを目的にしています。

普通のヨガとは違って、ポーズや効いている筋肉を意識していくのではなく、心も体もほぐすように。

何より大事なことは「自分で産む」というポジティブな妊婦ライフのためです。

最近では産院などでもヨガ教室を開いているところも多いですね。
たくさんのポーズを覚える必要はありません。

心地よく体をほぐして、自分自身と向き合う時間を楽しんでください。

自宅でもできるオススメのポーズを厳選しましたので、みていきましょう。

<マタニティヨガってどんなもの?>

マタニティヨガ = 体操 + 呼吸法 + 瞑想
体操では主に肩や胸、脚、骨盤底に作用するものを行います。

つまり、妊娠中に変化していく部分やお産の時に大切な部分をしなやかにしていきます。

<メリット>

マタニティヨガのメリットはたくさんあります!

①お産に必要な筋肉の強化
②股関節などの柔軟性アップでご安産へ
③骨盤のゆがみを整える
④リラックス
⑤お腹の赤ちゃんとの絆を深める

さらにマタニティヨガだからこその効果も◎
一般的なヨガやピラティスとは違うメリットもあります。

・筋肉への負担が少ない
・エネルギーの消費が少ない
・筋肉の緊張をほぐすので、体全体がリラックスできる
・全身の血行が良くなる
・体だけでなくメンタル面での疲労回復も!
・内臓の調子も良くなる

さらに、さらに…

・運動不足の解消
・体重コントロールしやすい
・むくみ防止
・こむら返りの予防
・便秘解消
・股関節が柔らかくなる=お産がスムーズになる
・呼吸法をマスターできる=お産の時に大活躍!

妊娠中のマイナートラブルを予防&改善に役立ちます。

ささいなトラブルだからこそ、しっかりケアして快適に過ごしたいですよね。

そして、ヨガ教室に通うことで同じお悩みをもつ妊婦さんの友達ができるなどのメリットまであります。

妊娠中からの友達は産後も何かとお付き合いが続くものですよ。

<いつから始められるの?>

ヨガを始める時期はいわゆる「安定期」に入ってからがいいでしょう。

つわりが落ち着き、胎盤が完成する16週あたりだと心も体も安定してきます。

20週からという教室もあるので、まずはかかりつけの産婦人科の医師にヨガをしてもいいのか確認しておくことが大切です。

お腹が張りやすい人(切迫早産の兆候があるなど)や血圧が高い場合などは特に注意が必要です。

また異常がない場合でも、その日の体調によっても無理をしないようにしましょうね。

ちなみに、いつまで続けられるかは基本的にお産までOK

妊娠30週を過ぎてくるとお腹が張りやすくなることもあるので、そういうときは休むなど調整していきましょうね。

ポーズにこだわらずに呼吸法だけでも◎

<注意点>

①入浴後30分以上たってから
②食後2時間以上空けてから
③お腹の張りがある時はNG
④なんとなく気分が乗らないときはNG

⑤無理は禁物!

ヨガをすることが目的ではなく、ご安産に向けて
心身を整えることが目的です。

できなかった自分を責める必要もありませんし、落ち込むこともありませんよ。

体調がいいときにまたチャレンジしてみましょうね。

<コツ>

私たちは「常に」いろんなことを考えながら生活しています。

掃除しながら夕飯のメニューを考えていたり…
ヨガの時間は、自分と赤ちゃんのことだけを感じるようにしましょう。

①ゆっくりと伸ばす
②息を吐きながら行う=呼吸を止めないこと
③一度緊張させてから伸ばす
(筋肉への負担を少なくし、伸びやすくなるため)
④動きやすい服装にし、温度調整しやすいものが◎
⑤音楽や時計、アクセサリー、靴下などはしない
(自分と、赤ちゃんと向き合うことに集中するため)
⑥環境を整える
(暑すぎず寒すぎず、床にはヨガマットやバスタオルで冷え防止、
アロマを取り入れる、明かりは間接照明にしたり自然光を生かす)

<オススメのポーズ>

1)足裏をつけるポーズ

股関節を柔軟にして骨盤底筋を伸ばす

① お尻の左右にある骨(坐骨)がしっかりと床についているのを意識してあぐらをかく

② 両方の足裏をくっつける

③ 可能なら、手の指(親指、人差し指、中指)で足の親指を持ち、かかとをなるべく恥骨に近づける

④ 手を足指にひっかけたまま、大きく息を吸って背中を伸ばす

⑤ 息を吐きながら背中を丸める

⑥ 4~5回繰り返す

2)花のポーズ

股関節を柔軟にする

赤ちゃんがスムーズに生まれてくるイメージをしながら行ってみましょう。

*逆子(骨盤位)やお腹が張りやすいときはしないように!

① 足を肩幅に開いて、足先は45度外へ向ける

② 足の裏をしっかりと床につけたまま、しゃがみこむ
(かかとが浮かないように足幅を調整し安定させる)

③ 胸の前で合掌し、両肘を膝に当てる

④ 息を吸いながら心地よく背筋を伸ばす

⑤ 息を吐きながら、両ひざを開くように合掌した手を下に降ろす

⑥ 吸う息に合わせて合掌した手の位置を元に戻す

⑦ 4~5回繰り返す

3)猫のポーズ

腰痛の緩和、産道を意識する

① 四つん這いになる
(肩の真下に手首、膝はお尻の真下、背中は平らに)

② 息を吐きながら手のひらで床を押すようにして背中を丸める
(目線はおへそを見るように、背中を上から引き上げられているイメージで)

③ 息を吐ききったら吸いながらもとの四つん這いの姿勢に戻る

④ 息を吐きながら背中を反らせる
(おへそを真下に向ける、顎は上げすぎず目線はやや斜め上)

⑤ 息を吐ききったら吸いながら四つん這いに戻る

⑥ ゆっくりと呼吸に合わせて4~5回繰り返す

4)両足倒し

骨盤のゆがみを整える

① 仰向けに寝る(手のひらは下に向け、自然と横に置く)

② 立てひざにして、息を吸って一呼吸

③ 息を吐きながら両ひざを左に倒す

④ 息を吸いながら立てひざの状態へ戻す

⑤ 息を吐きながら右へ倒す

⑥ 息を吸いながら元に戻す

⑦ 呼吸に合わせて両ひざを左右に倒す 4~5回繰り返す

5)仰向けで足裏を合わせるポーズ

股関節を柔軟に、リラックス効果大
妊娠後期には大きくなったお腹が苦しいこともあるので無理せず。

① 仰向けに寝る

② 両ひざを曲げて足裏を合わせる

③ 力を抜いて吐く息とともに膝を床へ近づけるイメージで行う

④ 目を閉じてゆっくりと呼吸する 5分ほど

6)カンガルーのしっぽ

骨盤底筋を鍛える、お産の時にいきむ方向がわかる

自分がカンガルーになったつもりで、お尻に大きくて長いしっぽが生えているとイメージしましょう。

骨盤を後ろに動かすときは、しっぽが誰かに引っ張られているように!
前に動かすときは、しっぽが足の間から前へいくように!

① 足を肩幅に開いて立つ

② 手は腰に当て、膝を軽く曲げる

③ 大きく息を吸いながら「骨盤だけ」を後ろに引く

④ 大きく息を吐きながら「骨盤だけ」を前へ出す

⑤ ③と④を4~5回繰り返す

7)骨盤回し

骨盤のゆがみを整える
左右で動かしやすい方向から始めましょう。

滑らかにフラダンスやベリーダンスをイメージして行うと◎

① 足を肩幅に開いて立つ

② 手は腰に当て、膝を軽く曲げる

③ 上半身は動かずに「腰だけ」右に動かす

④ 同じように「腰だけ」後ろに引く

⑤「腰だけ」左に動かす

⑥「腰だけ」前へ出す

⑦ ③~⑥を滑らかに行い、ぐるぐる回す 2~3回

⑧ 反対周りにぐるぐる回す 2~3回

⑨ 正面に戻して、一呼吸

8)シムス位 

リラックスのポーズ

ヨガでポーズをしたあとにはリラックスの時間が大切です。
全身の力を抜いて頭の中もカラッポにしましょう。

① 上半身はうつ伏せ、下半身は左向きにして横になる(腕は自由に)

② 上にある右足は軽く曲げ、下にある左足は自然と伸ばす

③ 足の間にクッションを挟むとさらにラク

④ 目を閉じて吐く息とともに力を抜き、体が床に沈み込んでいくイメージをする

リラックス効果が高いだけでなく、全身の力も抜くことができるので、妊婦さんは覚えておきたい姿勢です。

息を吐きながら大地に包み込まれていくようなイメージをしていくのが◎

<呼吸法>

難しいものではなく、一言でいえば「ゆっくりとした腹式呼吸」です。

まずは大きく吐くこと!

そうすると、勝手に吸うことができるからです。

普段は胸式呼吸といって主に胸を使っていますが、お腹まで深く息を吸った腹式呼吸は「丹田」というツボの刺激もでき、自分の「ブレ」がなくなりやすくなります。

赤ちゃんに十分な酸素を送ってあげられるので、赤ちゃんも心地よくなります。

ママにとっては、リラックス効果もあります。

イメージとしては、吐く息に「悩みやモヤモヤなどのマイナスな感情」を込めていくこと。

吐く息とともに不安も手放しましょう。

吸う息では新鮮な空気とともに「キラキラしたエネルギーの高い波動」も取り込むイメージです。

指先、足先、お腹の赤ちゃん…体の隅々までいきわたるように。

①お尻の左右にある骨(坐骨)がしっかりと床についているのを意識してあぐらをかく

②手は膝の上に置くか優しくお腹に置く
(手のひらを上に向け力を抜く)

③ゆっくりと息を細く長く吐く(鼻からでも口からでもOK)
 おへそをへこませるイメージで行う

④息を吐ききったらお腹を膨らませるイメージで吸っていく

⑤目を閉じてゆっくりと5分ほど続けましょう

<おまけ~カパーラ・バーティの呼吸>

マタニティヨガの中でも後半に行うことが多い呼吸法です。

短息呼吸ともいわれ、犬がハッハッハッハッと息を切らしているイメージです。

リラックスの呼吸ではありませんが、お産の時にも役立ちます。

赤ちゃんの頭が出てきて、いよいよあとは体が出てくるよ~というタイミングで行います。

いきみたい感じを逃すためにハッハッハッハッと呼吸していくんです。

①大きく息を吸う

②鼻から「フンッ」と勢いをつけて思い切り吐く

③リズミカルに30回繰り返す

④お腹をペコペコとへこますように、腹筋を意識しましょう

⑤30回終わったら大きく深呼吸をして呼吸を整えます

<まとめ>

マタニティヨガは妊婦さん向けのプログラムです。

筋肉の限界を超えて、引っ張るなどがない=初心者でもできるものなので、是非チャレンジしてください。

お産に必要な筋肉や関節を柔らかくして、スムーズなお産を目指しましょう。

陣痛が来ているときに大事なのは「いかにリラックスできるか」です。

心も体も力を抜いている状態は、赤ちゃんにとってもママにとってもラクです。

そのリラックスした状態を作りやすいのが、ヨガの呼吸!

深い瞑想は必要ありませんが、ゆっくりと落ち着いた呼吸ができるとお産の時に役立ちます。

ポーズにこだわらず、できるところからできるときに。
妊娠できたということは、お産できるということ。

産むちから」があるということですから自分を信じていきましょう。
そのためにヨガはとっても効果的です。

自分のことを信じて、赤ちゃんを信じて…
ゆったりとした時間で妊娠ライフを楽しんでくださいね。