静脈瘤

足にミミズ?
妊娠中に増える静脈瘤ってなに??
その傾向と対応策

静脈瘤は妊婦さんの5~40%にみられるといわれています。

細い血管が浮き出てきたり、脚がだるくなるなど不快ですよね…

ホルモンの影響や大きくなった子宮による圧迫が原因なので、産後3か月ほどで自然消失することが多いです。

<静脈瘤とは?>

ふくらはぎなどの脚によくみられるもので、血管がボコボコと浮き出てきます。

弁の働きが悪くなると血液が逆流して、血液が滞ってしまうためコブのようになります。

悪化すると炎症を起こし腫れたり痛み、発熱を伴うこともあります。

妊娠中は、外陰部に近い脚のつけ根や、太ももの内側にできることがある(陰部静脈瘤)

この場合弁が壊れているのではなく、妊娠中の血液増加によって血管が広がったため弁が合わさらなくなってしまうもの。

その隙間から血液が漏れてしまうことで起こる。

症状はお尻や足のだるさ

産後、血液量がもとに戻る3~6か月ほどで自然に治っていきますが、硬化剤という薬を直接注入する「硬化療法」もあります。

<原因>

足の静脈の流れが悪くなることで、足の静脈圧がいつもの3倍になり静脈の拡張が起こる。

静脈で血液の逆流を防いでいる弁の働きが鈍くなったり壊れてしまう。

①女性ホルモンの影響

プロゲステロンによって毛細血管が拡張しやすくなる。

②静脈の圧迫

大きくなった子宮が骨盤内の静脈を圧迫して下半身の血流が悪くなる。

<なりやすい条件ってあるの?>

・家族に静脈瘤の人がいる
・妊娠前から静脈瘤がある
・二回目以上の出産経験がある
・長時間の立ち仕事をしている
・女性である  男性:女性=3:7
・肥満や高血圧、高脂血症などの生活習慣病
・夏場など気温が高い

<症状>

・足がだるい
・足が重たい
・足が張った感じがする
・足のむくみ
・こむら返り

<対処法>

①足を高くする

寝るときはクッションなどを使い、心臓より15㎝ほど高くすると血液が心臓に戻りやすくなります

②弾性ストッキング*1)の着用

静脈血がスムーズに上へ戻りやすくなります。

静脈瘤は女性ホルモンの影響をうけているため、ホルモン分泌が落ち着く産後2か月くらいは続けると◎

③体重管理

体重が増えるとさらに運動から遠ざかってしまいがち…
筋肉の収縮も血流に影響することからも体重管理は大切!

肥満や脂質代謝異常を予防することは血管を強くし血液の流れもよくなります。

④適度な運動=脚の筋肉のポンプ作用アップ

無理のない範囲で体を動かすことは、血液循環をよくすることになります。

また、体重管理にも◎
歩くことを意識すること!

⑤座っている姿勢に気を付ける

脚を組んでいると血流が悪くなります。
さらに骨盤も歪んでしまいいいことなし!

脚を組まないようにしましょう。

貧乏ゆすりやかかとを上げ下げする運動も効果的です。

⑥冷えの予防

脚が冷えていると循環も悪くなります。

血流をよくするためにも、お腹の赤ちゃんのためにも冷え対策は必須です。

ぜひ温かい飲み物にして、湯船に浸かる習慣づけを!

⑦マッサージ

ふくらはぎを優しくマッサージします。

入浴中だと皮膚の摩擦も少なく、リラックス効果もありオススメ

静脈瘤の部分は触れないようにしましょう。

<まとめ>

もともと女性に多い静脈瘤ですが、妊娠すると赤ちゃんを大きくするため、お産に備えて血液量が増えます。

そのことで、血管の圧迫が起こり静脈瘤となってしまいます。
ただでさえも大きなお腹で歩きにくく、浮腫みやすい妊娠中。

静脈瘤ができると見た目にもよくないですよね…

ほとんどが自然と治っていくものなのですが、静脈瘤を作らない・悪化させないためにも脚のケアは大切です。

脚の血液循環をよくるように、冷え対策やマッサージなどできる範囲で続けましょうね。