産後の過ごし方

産後の過ごし方ってどうしたらいいいの?
いつから動けるの?
その傾向と対応策

お産も無事に終わりホッとしたいところですが、バタバタとした毎日が待ったなしで始まります。

妊娠中にはなかなかイメージしにくいかもしれませんが、どんな感じで産後を過ごすのかイメージしておくと安心すると思います。

妊活中は妊娠がゴール
妊娠中はお産がゴール

でも、実はそこからの子育ての方がはるかに長いです…

もちろん楽しいこともたくさんありますが、ママの体が大きく変化するときなので事前に知っておくといいですね!

産後は寝ていなさい」と言われても、どこまで動いていいのかわからないママも多いのでは?

動きたくなる気持ちもわかりますが、妊娠前の体に戻るのは時間がかかります。

慣れないオムツ交換や授乳、寝かしつけ…

やることがいっぱいですが何を第一にしていけばいいのか、まずは退院して一か月のことから見ていきましょう。

<産褥期(さんじょくき)>

妊娠~お産によって変化した身体が妊娠前に戻るまで6~8週間かかると言われています。

この時期を「産褥期」と呼んでいます。
この時期はママの身体は大きな変化を始めています。

①子宮復古(しきゅうふっこ)

妊娠で大きくなった子宮が元の大きさに戻ろうと子宮が収縮します。

生理痛のようなキューッとした痛みを伴うことも。
経産婦さんほど痛みがあります。

悪露といって生理のような出血がありますが、徐々に赤色から褐色、黄色、白色となり大体1か月ほどでなくなります。

②ホルモンの変化

妊娠中に出ていた女性ホルモンが一気に減少するので、精神的にも影響してきます。

イライラや不眠、情緒不安定(マタニティブルー)など

<産後2週間>

赤ちゃんのお世話と食事・シャワー・トイレ以外は寝て過ごすべし!
ちょっと動きたくなってきますが、まだ無理は禁物ですよ。

少しずつ疲れが溜まってくるのもこのあたりから…
赤ちゃんと一緒に過ごし、授乳以外はママも寝るのが◎

安静第一です。

家事全般は家族へお願いしましょう。
家事代行サービスなどの利用もいいですね。

<産後3週間>

昔から言われている「床上げ」がこの時期に当たります。

今まで敷きっぱなしだった布団を上げ、普通の生活に戻しましょうという時期です。

徐々に動いてOKですがもちろん無理は禁物ですよ。
簡単な家事から始めましょう。
疲れたと思ったら休むのが大事。

<産後4週間>

一か月健診があり、ママも赤ちゃんも必ず受診しましょう。
そこで問題なければ、産後の経過は順調といえます。

湯船に浸かることや性生活(SEX)の許可も出ますし、外出も近所くらいなら可能でしょう。

悪露がまだ続いている場合は状況に合わせていきます。

そろそろお宮参りや出産祝いのお返しなども行う時期ですね。
前もって予定を立て、ママと赤ちゃんの体調第一でいきましょう。

出産祝いのお返しは、妊娠中にカタログをみるなどリサーチしておくと◎

それでも、まだ完璧に回復したわけではありませんので要注意です。

<産後5週間>

産褥期の後半は徐々に日常生活に戻していきます。

妊娠前と同じように動けると感じるのは、産後3か月~1年くらいと言われています。

80%の力で動くくらいのつもりでいましょう。

例えば洗濯を干すのは家族、たたむはママだったものを、自分ですべてするなどです。

体調の回復には個人差が大きいので、体調がすぐれないときは無理をしないように休むことが肝心です。

1か月ほど寝て過ごすことが多いと、どんなに若くても筋力も落ちてしまいます。

布団でもできるような「産褥体操」を負担がない範囲で続けていくのが◎

<産後6週間以降>

やっと回復してくる時期です。
軽い運動やウォーキングも徐々に始めてもいいかもしれませんね。

身体が元気になってくると、あれこれやりたくなってしまいがちです。
まだまだ、完全復活ではないことをお忘れなく!

また産褥期を過ぎれば、仕事復帰も可能な時期です。

その場合は、赤ちゃんの預け先や仕事復帰のことなど事前の準備を整えておかなければいけません。

利用できるサービスの確認や家族との段取りも不可欠になってきます。

<産褥期を乗り越えるポイント>

①とにかく休むこと

産褥期後半になっても、体は完全復活したわけではありません。

むしろ、そのころの方が疲れが溜まってきますから、隙間時間のお昼寝は大事です。

②バランスのいい食事

母乳育児のママは当然ですが、産後のママの身体が回復するには栄養バランスのとれた食事が必要です。

成人女性の1日の平均的なエネルギーに加え350kcalを摂取するように心がけましょう。

もちろん、甘いものではなく食事で補っていきましょうね。

お産で出血もしていますし、妊娠中と同じように鉄分や葉酸をとることが大事です。

良質なたんぱく質はパワーになるので、疲れに◎
カルシウムも積極的にとりたい栄養素です。

難しく考えずに、バランスよく食べることが大事ということですね。

主食をしっかりと中心にして、野菜はお味噌汁を具だくさんにするだけでも違いますね。

そして、時短で手軽に補えるということも重要なポイントです。

青菜のお浸しにゴマを入れたり、ひじきの煮物を常備菜にするなど日常的なもので十分です。

しじみのお味噌汁もいいですね。
自分で作れないときはお惣菜を買ってきてもらえばOK

無理なく続けることの方が大事です。

③骨盤底筋のケア~産褥体操

産後ダイエットにもつながりますが、まずは妊娠中~お産で緩んだ骨盤を戻すことから始めましょう。

骨盤底筋は子宮などを支えているハンモックのような筋肉で、お産によってダメージを受けています。

ここが緩んだままでケアをさぼってしまうと…
産後の尿もれや更年期頃の尿もれになってしまいます。

負担のかからないように骨盤ベルトを使うのもオススメ。
サイズの合ったものをつけて、無理に締め付けないものがいいですね。
(ウエストをシェイプするものとは別物ですよ)

骨盤が整えば、腰痛やむくみ・便秘なども改善します。

やらない手はないですね!

退院後間もないときは、寝たまま行えるもので「足首をクルクル回す」「肩回し」などから始めましょう。

お尻をキュッと締める」運動は尿もれにも効果的です。

仰向けになって両ひざを立てて、息を吐きながら左右に倒す運動も骨盤のゆがみに効果的です。

マタニティヨガをしていた人は、産後も行うといいでしょう。

④便利グッズやサービスの利用

最小限の家事で済むように妊娠中の準備も大事です。

食材や調理済みのお弁当を配達してくれたり、ネットスーパーも便利です。

事前に登録してお試しで使ってみると産後に慌てなくて済みますよ。

私は臨月に作り置きをたくさんしました。

ひじきの煮物や切り干し大根の煮物、野菜をカットするなど冷凍しまくりでした。

なかでも重宝したのが「おにぎり」
授乳中はお腹が空きます!

でも料理する時間はないし、体力的にもしんどい…
かといって、スナック菓子は避けたい。

腹持ちもいいし、手軽に食べられるおにぎりは最高でしたよ。
具を変えれば飽きないし、オススメです。

産後に家族の協力を得られないときは、プロにお任せするのもアリです。

ちょっと勇気がいるかもしれませんが、産後に無理をして体調を崩す方が大変です!

なかには、平気だったといって動くママもいますが、人は人。
比べるところではありませんから。

赤ちゃんとママの身体が第一です。

またこの時期の家事復帰をしていくときに便利なのが「バウンサー」

赤ちゃんを寝かせて、ママが手で揺らしたり、自動で揺れてくれるベビーチェアです。

赤ちゃんの動きでも揺れるので、赤ちゃんが自ら揺らしてくれることも。

「ハイローチェア」も寝かしたまま揺らすことができるので◎

上のお子さんがいる場合、床に赤ちゃんを寝かせて置けないときもありますよね。

あとは犬や猫と暮らしている場合などは、高さのある場所に赤ちゃんがいるのは安心かもしれません。

ただ購入すると結構お値段がするもの…
レンタルやリサイクルで割り切るのもいいでしょう。

赤ちゃんによっては嫌がることがあるので、無駄になってしまうこともあるんです…

家事をしていても赤ちゃんの様子がわかるようになっていると安心ですね。

寝室の音や赤ちゃんの声がリビングに届くようにトランシーバーのようなものもあります。

わが家でも大活躍しました。

赤ちゃんっていつどこで寝るか、いつまで寝るかわからないので、ママが家事をする近くで寝ないことも多々あるんですよね。

便利な家電の利用も増えていますね。

自動で掃除機をかけてくれたり、食洗機も時短になります。


レンジでチンして野菜の下ごしらえをしたり、圧力鍋も◎

電気タイプの圧力鍋なら材料を入れてスイッチ押したら放置~
お料理が苦手なパパでもできるものはいいですね。

⑤ストレス対策

産後はホルモンバランスが崩れるので精神的にもクタクタです。
頭と体、心が追いつけない状態です。

100点満点を目指すのはやめて、できることをしていきましょう。

この時期は自分に甘くするのが大事ですよ。
普段、頑張り屋さんほど力を抜いていきましょうね。

マタニティブルーといって、無性に泣きたくなったり悲しくなるなどホルモンの影響を受けやすい時期は過ぎていきますが、産後うつに移行するケースもあります。

産後うつは産後2~3週間過ぎから起こることが多いとされ、はっきりとした原因はわかっていません。

ホルモンバランスの乱れや疲れが関係していて、1年くらい続くことも。

症状は不安感が強くなったり、赤ちゃんがかわいく思えない、自信が持てないなど。

受診し、適切な治療が必要になってきます。

最近は2週間健診がある施設も多くなってきましたが、大事なのは「一人で抱え込まないこと

誰かに、ダンナさんでも母親でも地域の保健師・助産師でも…
誰でもいいから話してみましょう。

それだけでラクになることも多いですよ。

ワンオペという言葉が流行っていますね。

パパが会社に行っている間はワンオペですから、ママが一人で赤ちゃんのお世話も家事もしていることになります。

会社に行けば仕事があるので大変です…
が、ママは24時間待ったなしです。

オンオフが切り替えられないと本当にしんどいです。
だからこそ、自分なりのストレス発散法を見つけておきましょう。

食べるのもアリですが、特に母乳育児のママは内容にも気を付けるといいですね。

アロマや音楽、時にはパパに赤ちゃんを預けてお散歩するだけでも◎

自分一人の時間はとても大事です。

ママでもなく、妻でもない「わたし」に戻る時間はぜひ作ってくださいね。

目と子宮はつながっているという考え方もあります。
妊娠中もそうですが、産後も目を酷使しないようにしましょうね。

ついスマホを見てしまいますが、ブルーライトは交感神経を刺激してしまいますから、リラックスの逆です…

気分転換にスマホでゲームは絶対にNGですよ。

<おまけ~産後の生理再開っていつ?>

産後の生理再開は本当に個人差が大きいものです。

授乳期間が長いほど再開するまでに、時間がかかるとされていますが、一概には言えません。

産後1か月でやっと悪露がなくなってきたと思ったら、生理が再開した人もいますし、私のように2年間来ないケースも。

授乳が終わって何年も生理が再開しない場合や、生理不順になるなど気になることがあるときは産婦人科の受診をおすすめします。

ちなみに授乳中でも生理は再開しますよ。

私も一人目は丸2年間母乳を上げていましたが、生理は卒乳直後でした。

二人目も同じく母乳育児ですが、1年半で再開しています。
女性の身体は本当に不思議ですね。

生理がある、ないということも気になると思いますが、気を付けてほしいのが「次の妊娠」についてです。

産後は排卵も不規則なことが多いです。
また生理再開の前に排卵が起これば妊娠する可能性があるということ。

1か月健診で問題ないと医師から言われると性生活(SEX)もOKということになり、妊娠するかもしれませんね。

年子を望んでいる場合はそれでいいのかもしれませんが、産褥期は妊娠中~産後の身体が元に戻ろうとしている大事な時期です。

ママの身体の回復を思えば、しばらくは避妊した方がいいでしょう。
ダンナさんと同じ考えでいることが大事になってきますね。

<まとめ>

産後はとにかく休むことが大事です。
妊娠中~お産で頑張った体は元に戻ろうと必死です。

帝王切開の場合はお腹の傷の回復も大切なので、さらに注意が必要ですね。

ホルモンバランスも乱れるため、精神的にも気を付けたい時期です。

慣れない子育てに必死で自分のことは後回し…
そんな声も聞きますが、ちゃんと食べてちゃんと寝る!

それがとても大事なママの仕事ですよ。

里帰り出産の場合は、つい話し込んでしまうこともあるのでは?

家事はお任せしていても、可愛い孫のそばにいたいという母親や親族に対してダメとも言えず…

ダラダラと付き合ってしまって、あとでぐったりなんてことも多いものです。

お見舞いに来てくれる友人などは早々に切り上げてくれることが多いけれど、親族はそうもいかないことが現実です。

産後の身体は休めることが重要であることをしっかりと伝えましょうね。

自分で言いにくい人はダンナさんから言ってもらうといいかもしれませんね。

家事は誰かにしてもらうことが最初の一歩。

ママは休むことに専念することから始まります。

ママが倒れては大変!

この大事な時期に無理をすると、更年期になってのトラブルにつながることもあるんですよ。

今は「若いから大丈夫」なんて思っていても、体は妊娠~お産を経てクタクタなんです。

自分の身体も心もいたわってあげる大事な時期ということを覚えておきましょう。