寝ているだけで血圧が下がる??
仰臥位低血圧症候群って何?
その傾向と対応策
妊娠後期になると大きく成長したおなかの赤ちゃん、子宮によって母体の血管を圧迫してしまいます。
大きな血管なので圧迫されることによって血流が滞ってしまい血圧が下がる・酸素不足になるものです。
妊娠特有のものなので産後にまで続くことはありませんし、対処法を知っておけばすぐに良くなるのでしんぱいいりません。
では臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつ)についてみてみましょう。
<仰臥位低血圧症候群(SHS)とは?>
妊娠後期に起こりやすく、大きくなった子宮が下大静脈を圧迫することで心臓に血液が戻らず、さらに全身に血液を送りにくくなります。
そして一過性の低血圧になることです。
もともと静脈は血流の勢いが弱いため、圧迫によって血液が戻らなくなるものです。
血圧が低下すると体は酸素不足になり、様々な症状が出てきます。
<症状>
血圧低下や酸素不足による悪心・嘔吐・頻脈(脈が速くなる)・冷や汗・顔面蒼白・生あくびなど。
寝ているのに立ちくらみのような感覚になることもあります。
ショック状態になるおそれもあります。
この状態が長時間続くと胎児も酸欠状態になります。
<対処法>
すぐに血管の圧迫をとることです。
左向きの姿勢になることで、下大静脈の圧迫がとれて血流が再開しますのですぐ改善されます。
またはクッションなどで背もたれを45度くらいの角度にして上体を起こすのも効果的です。
<まとめ>
大きくなったおなかが血管を圧迫することで起こる仰臥位低血圧症候群。
妊娠初期などまだおなかが大きくない時期は仰向けでも苦しくありませんが、後期に入ったら横向きで休むようにしましょう。
また体の右側にある下大静脈のそばにはリンパ管もあります。
ここも圧迫されることで手足から戻ってきたリンパ液の流れも滞ってしまい、むくみや静脈瘤の原因になることもあります。
もうひとつ、妊娠後期の歯科検診は要注意です。
仰向けでいることで仰臥位低血圧症候群を起こしやすくなるため、それまでに検診や治療は済ませておきましょうね。
赤ちゃんの向きや体調によって楽な姿勢は変化します。
クッションなどを使って赤ちゃんにとってもお互い快適な姿勢を見つけてみましょう。
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