
妊婦ってこんなに浮腫むの?
足がゾウさんみたい…?!
その傾向と対応策
夕方になると履いている靴が窮屈に感じたことはありませんか?
約50%の女性が浮腫みのお悩みをもっています。
妊娠後期にはさらに増え、約70%もの女性が浮腫みを経験しているといわれています。
多くは足全体、ふくらはぎなどに見られますが、顔や手が浮腫むこともあります。
ほとんどが生理的なものなので心配いりませんが「病的なもの」もあります。
妊娠中は母体だけでなく赤ちゃんにも影響が出てくるものもあるので注意が必要です。
では様子をみてもいい浮腫みとそうではない浮腫み、予防法などみていきましょう。
<原因>
①ホルモンの影響
体に水分をキープするためのアルドステロン、コルチゾールというホルモンが多く分泌される。
②体系の変化
大きくなった子宮が足から心臓へ戻る血流を圧迫する。
③運動不足
筋肉のポンプとしての機能が落ちてしまう、冷えやすくなる。
④冷え
血管も縮んで循環が悪くなる。
<生理的なむくみとは?>
・両方の脚に同じように出てくる
・痛みはない
・左側を下にして寝ると軽減する
<対処法>
筋肉を作り代謝をアップさせること、塩分を体の外に出すことが大事。
①食事の工夫
☆塩分の排泄を促す「カリウム」をとろう。
妊娠すると血管の中をグルグル回っている水分量が非妊時の1.5倍になります。
体の中の水分量が6リットルほどに!!
塩分濃度を薄くしようと体は水をため込んでしまうため、浮腫みやすくなってしまいます。
そこで必要なのが「カリウム」
バナナ、キウイフルーツ、キノコ類
ルイボスティーはノンカフェインで妊婦さんにオススメです。
ぜひホットで飲んでくださいね。
☆塩分の摂りすぎはNG
女性の1日あたりの食塩摂取量7g未満(厚生労働省)
塩分を摂りすぎると体に余計な水分をため込んでしまいます。
外食、コンビニ、お惣菜を食べる頻度が高い人は要注意!!
「味が濃いな~」と感じたら、茹でたブロッコリーなど
「味付けしていない温野菜」と食べるのがオススメ
もちろん、自炊で薄味がベストですよ。
お出汁をきかせて野菜たっぷりのお味噌汁は毎日食べたいものです。
塩分は悪者ではありません。
摂りすぎないことが大事!
神経質に塩分を減らす必要はありませんよ。
医師から塩分制限を指示されなければ気にしなくてもいいでしょう。
特に夏の熱中症は水分&塩分(ミネラル)が必須です。
②水分をしっかりとること
目標1日に1.5~2リットル!
妊婦さんは汗をかきやすく、知らないうちに水分を失っています。
糖分が含まれている清涼飲料水やジュースはNG
常温の水を「ちびちび」飲むのが◎
③マッサージ
皮膚の摩擦がないようにオイルやボディクリームをつけるとマッサージしやすくなりますよ。
お風呂上りや寝る前などリラックスして行うといいですね。
スキンシップにもなるのでダンナさんにマッサージしてもらうのもオススメです。
ポイントは…
・足先から心臓に向かって行うこと
・強くしないで気持ちいいと感じる程度にすること
・お腹に力がかかることはしない
・体調がすぐれないとき、お腹が張るときはしない
④ストレッチ
ゆっくりとした呼吸にして、息を止めずに行いましょう。
・仰向けに寝て、足を片方ずつ10㎝ほど交互に上げる
・壁に両手をついてアキレス腱を伸ばす
・あぐらをかいて、足裏を合わせた状態で膝を上下に動かす
・仰向けに寝て、膝を左右に開く
無理のない範囲で行い、お腹の張りを感じたら中止しましょう。
⑤ツボを押す
息を吐きながら「イタ気持ちいい」力加減でゆっくりと押す
足三里~膝の外側にあるくぼみから指4本分下
お灸で温めるのもオススメですが、お腹が大きくなってきたら体制がきつくなるので無理はしないように。
⑥適度な運動
ウォーキング、お散歩など
10分程度、近所をお散歩するだけでもOK
マタニティスイミングは浮力を利用するので、
意外とラクに運動できます。
必ずメディカルチェックを受けてから行いましょう。
⑦体を温める
シャワーだけでなく湯船に浸かることで体全体の血行がよくなります。
ぬるめの38~40℃のお湯にゆったりと浸かり、ふくらはぎなどを優しくなであげるのも◎
腹巻きやレッグウォーマーで冷やさない工夫を!
特に夏場の素足は控えましょうね。
どうしても暑いときは素足にレッグウォーマーが◎
素材を麻などにすれば意外と快適ですよ。
下着や服は締めすぎないものが◎
血流をジャマしないようなゆったりとしたものを選びましょう。
⑧弾性ストッキングを履く
着圧タイプの靴下でもOK
きつすぎない物にし、自分のサイズに合ったものにしましょう。
浮腫みがひどい場合は医療用の弾性ストッキングもあります。
医師に相談してみましょう。
⑨寝るときの工夫
座布団くらいの厚さにしたタオルなどを足の膝から下にいれるとラク
<こんな症状がある時は要注意>
脚の浮腫みに加えて以下の症状がある時は何らかの異常があるかもしれません。
・朝起きたときに足を指で押してみると陥没してなかなか元に戻らない
・1週間に500g以上の体重増加
・血圧140mmHg以上
・片方の脚の浮腫みで熱感、発赤、痛みがある
・発熱
・手の浮腫み
・急に悪化する
・呼吸困難、けいれん、急な頭痛。振戦(ふるえ)など
かかりつけの産婦人科に連絡しましょう!
<病的な浮腫み~妊娠高血圧症候群>
10人に一人に起こるといわれています。
なりやすい人…
もともと高血圧の人、糖尿病や腎臓病の人、40歳以上、双子などの多胎妊娠、初めての妊娠など
さらにこんなリスクも…
・胎児発育不全
お腹の赤ちゃんの発育が悪くなる
・低出生体重児
通常よりも体重が少ない赤ちゃん
・常位胎盤早期剝離
赤ちゃんが生まれる前に、子宮から胎盤が剝がれてしまう。
母子ともに命に関わる!
・子宮内胎児死亡
お腹の中で赤ちゃんがなくなってしまうことその他にもいくつかあるので、ただの浮腫みと思わず全身を観察しましょうね。
・深部静脈血栓症
血栓ができ血流に乗って流されると「肺塞栓症」の危険も!
・蜂窩織炎(ほうかしきえん)
細菌感染によるもので、感染した場所が腫れ、発熱などが症状
<よくある質問>
Q1 妊娠中のエステやマッサージはいいの?
A 必ず妊娠していることを伝えましょう。
サロンによっては妊婦さんお断りというところも多いですが、きちんとした知識・技術のあるサロンを選ぶことが大切です。
姿勢によってはつらいこともあるので、施術者とのコミュニケーションは大事!
お腹が張る、気分がすぐれないなどを感じたときはすぐに中止してもらうこと。
Q2 浮腫みにいいサプリは飲んでもいいの?
A 妊娠中に服用してもいいものなのか、メーカーに問い合わせするのが安心です。
また産婦人科の医師に相談してみましょう。
<まとめ>
妊娠後期になるとお腹も大きくなってきて足の付け根あたりを圧迫します。
下半身から心臓へ戻る血流も緩やかになりがちです。
浮腫みやすい時期ですが、夕方に靴下の跡がくっきり残ったとしても、翌朝戻っていればOK。
少し怖い「病的な浮腫み」についても触れましたが、日ごろから自分の体の変化はチェックしておきましょうね。
妊娠していなくても女性は浮腫みやすいものです。
毎日の食事や運動などで予防・改善できることも多いのでセルフケアが大切ですね。
外食やコンビニは控えて、冷え対策をしっかりしましょう!
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