妊娠中の最大の課題かも??
体重コントロール
その傾向と対応策
「私〇キロも体重増えちゃった~」
なんて妊婦さんの会話あるあるですよね。
赤ちゃんが大きくなるにつれて、体重が増えていくのは当然ですがなかなか思い通りにはいかないものですよね。
順調にコントロールしていたと思っても、妊娠後期には赤ちゃんにもふっくらと脂肪がついてきますので、思いのほか体重が増えてしまうことがあります。
体重を増やしすぎないように!!
医師から何度も注意されている人も多いのでは?
わかってはいるけど…でも…
そんな声が聞こえてきそうですが、極端に体重が増えすぎてしまうと様々なリスクが出てくるからなんです。
逆に体重が増えなさすぎでも問題が出てくるので、体重コントロールは大事!
「赤ちゃんの分と二人分食べなさい」
なんて言われていた時代もありますが、今は栄養過多で状況が違いますからね。
特に母親、義母の助言には気を付けましょう。
ありがたく聞いておいて、実際は二人分食べないように!
産後のダイエット問題も気になるところですし、ちょっとした工夫でコントロールできるコツをお伝えします。
<妊娠中の体重増加のうちわけ>
<体重が増えていい範囲はみんな同じ?BMIを知ろう>
厚生労働省で妊娠中の体重増加について目安を設定しています。
まずはBMI(ボディマスインデックス)で自分の肥満度をチェック!
BMI = 体重(㎏) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
例)身長160㎝、体重55㎏の場合
55(㎏)÷1.6(m)÷1.6(m)=21.484…
BMIは21.5で「普通」
<体重増加によるリスク>
・巨大児(出生体重が4㎏以上)
・妊娠高血圧症候群
・弛緩出血(お産の時の出血が500ml以上)
・微弱陣痛(陣痛が弱くなりお産が長引いてしまう)
・帝王切開
・腰痛、ひざの痛み
・脚のむくみ
・静脈瘤
実は産道にも脂肪がついてしまい、お産のとき大変になるなんてこともあります!
<体重増加が少なすぎるリスク>
・低出生体重児(出生体重が2500g未満)
・切迫流産
・切迫早産
・胎児発育不全
(お腹の赤ちゃんが週数に見合った成長をしていない状態)
<妊娠前に肥満・痩せすぎだった場合のリスク>
肥満(BMI25以上)…
妊娠糖尿病、巨大児、帝王切開、弛緩出血
(お産の時の出血が500ml以上)
痩せすぎ(BMI18.5未満)…
切迫早産、早産、貧血、子宮内胎児発達遅延、低出生体重児
<厚生労働省による食生活の心得>
どれも基本的なことですが大事なこと!
母子手帳にも載っていますから確認しておくといいですね。
①エネルギーアップ
主食である炭水化物をきちんと食べましょう。
一日3食は基本です。
成人女性の非妊時の摂取エネルギー量は約2000kcal
妊娠初期 非妊時より+50kcal
妊娠中期 +250kcal
妊娠後期 +450kcal
ご飯をいつもより少し多めに。
妊産婦のための食事バランスガイドでは、妊娠初期と中期では、ご飯の小盛りを5~7杯/日、後期は6~8杯/日と勧められています。
*エネルギー摂取については、年齢や身体活動レベルによって変わります。
母子手帳で確認してみましょう。
②ビタミン・ミネラルをしっかり!
赤ちゃんの成長には欠かせない栄養素です。
野菜などに含まれていますが意識しないと不足しがち…
特に葉酸と鉄分は必須です!
葉酸を多く含むもの
緑黄色野菜や納豆、干しシイタケ、イチゴ、オレンジなど
鉄分を多く含むもの
赤みの肉、カツオやサンマ、アサリやカキ、
卵、緑黄色野菜、切り干し大根など
お味噌汁やお浸し、サラダなどの副菜でカバーしていきましょう。
お惣菜を利用するのも◎
*レバーや卵にはその他にも「ビタミンA」も多く含まれます。
妊娠中に過剰に摂取すると、赤ちゃんに奇形を起こすリスクがあるといわれていますので、毎日レバーを食べるのはやめましょうね。
③主菜はほどほどに
骨格や筋肉などの体を作るたんぱく質を補ってくれるものです。
たんぱく質摂取量については、妊娠中期で+10g、後期は+25g(妊娠前は50g/日)
揚げ物はカロリーが高くなるのでほどほどに。魚や大豆製品も上手に取り入れてバランスよく食べましょう。
納豆は高たんぱく質で手軽に食べられるので◎
④カルシウムを摂ろう
妊娠中はカルシウムの摂取量が上がるため、妊娠したからといって新たに増やす必要はありませんが、今の女性はカルシウム不足になりがちな現状です。
意識して補っていきましょう。
乳製品や海藻類、緑黄色野菜に多く含まれていますので、サラダやお味噌汁、スープにすると食べやすいです。
チーズやヨーグルトは手軽に食べらるのでランチにも◎
小魚にもカルシウムは豊富なので、小腹が空いたときのおやつにもいいですね。
<体重コントロールのコツ>
☆よく噛むこと、目指せ30回!
ゆっくりとよく噛むことで唾液と混ざりあい、消化も良くなります。
食べるのに時間がかかるので満腹感を感じやすいです。
☆食べる順番を意識する
最初に主食を食べるのはNG!
体へ糖が吸収されやすいので、まずは汁物から。
温かいお味噌汁やスープを食べてからお野菜類、最後に主食にしましょう。
☆大皿に盛りつけない!
大皿にするとつい食べ過ぎてしまいます。
自分がどれだけ食べたかも把握しにくいです。
(ビュッフェと同じですね…)
なるべくそれぞれのお皿に盛りつけることで、品数も多く見えますし目からも満足感を得ることができます。
☆塩分を控える
塩分が高いとついご飯が進んでしまい食べ過ぎの原因になります。
特に外食やコンビニなどの食事は塩分が高いので要注意!
「旨み」や「香り」を使っていきましょう。
家ではお出汁をとることで塩分を抑えることができます。
お出汁をとるのが面倒な人は、ぜひ「水出し」にチャレンジしてくださいね!
あっさりとしていて使いやすいですよ。
1)お好きな材料を水に入れる(水1リットルに対して材料20gくらい)
昆布、干しシイタケ、煮干し、鰹節など。
それぞれ組み合わせも◎
2)冷蔵庫で6時間以上放置
一晩、冷蔵庫に入れておくだけで出来上がり!
3)冷蔵庫で3日くらいに使い切る
お味噌汁や煮物、茶わん蒸しに◎
製氷皿に入れて冷凍庫保存なら2週間ほど長持ちして、使いたい量だけ使えるメリットも!
容器は麦茶ポットのようなものが使い勝手がいいですね。
茶こしつきがベストですが、なければお茶パックに入れるとラクチンですよ。
市販の顆粒出汁は塩分が多いです。
「塩分」だけでなく、上手に「旨み」を利用していきましょう。
☆ながら食べはしない
テレビやスマホを見ながら食べると、よく噛まない上にダラダラ食べてしまいがち。
食事の時間はテレビもスマホもお休みして、食事の時間を楽しみましょうね。
☆間食の工夫
ローカロリーのものを選ぶようにしましょう。
余裕のある人は自家製のおやつもいいですね!
お砂糖の量を減らすこともできるし、寒天やゼリーは意外と簡単でお通じのコントロールにも◎
市販品でも糖質オフのものや、おからを使ったものなどを選びましょう。
ナッツやドライフルーツを一口食べるのもオススメです。
砂糖でコーティングしていないタイプにして、食べすぎには注意!
フルーツを凍らせて自家製シャーベットは、つわりや真夏にオススメです。
☆食事の制限はしないで1週間で帳尻を合わせばOK
毎日完璧な食事作りはできませんよね。
仕事をしている妊婦さんならなおさらです。
「ちゃんとできなかった」「外食続きになったな」と自分を責めて、そのストレスから甘いものを食べてしまっては意味がありません。
「今日できなかったから明日は自炊しよう!」
そのくらいの気持ちで1週間の中で帳尻を合わせていくのが、長く続けるコツです。
☆階段の上り下り
マンションでも階段を利用したり、スーパーや駅でもエスカレーターを控えるのは体重コントールだけでなく、体力づくりにも効果的です。
ヒップアップにも◎
☆雑巾がけ
昔ながらの雑巾がけですが、太ももの後ろ側やふくらはぎの筋肉に効果てきめんです!
お腹が大きくなると重心のバランスがとりにくくなるので、無理のない範囲で行いましょう。
おうちもキレイになるし一石二鳥ですね。
☆ウォーキング・お散歩
張り切ってスポーツウェアに着替えなくても、近所をブラブラ歩くのでも十分です。
水筒を持ってスニーカーを履いて…
近くの公園まで行くのはオススメです。
子育てにおいて公園情報は必須ですから、今のうちに下見しておきましょう。
休日はダンナさんと一緒に歩くのもいいですね。
暑い真夏や真冬などは外を歩くのが億劫になりますが、ショッピングモールの中を歩けば楽しく飽きないので、妊婦さんの運動に持ってこいの場所です。
疲れたらベンチもあるし、トイレもあるし。
ただ飲食店も多いので甘い誘惑には負けないで!
☆自分にご褒美でモチベーションをキープする
なんでも我慢しているとストレスになってしまいます。
甘いものでご褒美を繰り返しているとちょっと問題ですが、好きな映画を観に行くとかショッピングをするなどのご褒美ならOK
たまに食べるケーキもいいと思いますよ。
罪悪感を抱えたまま食べるより、美味しい・楽しいことにフォーカスして「感謝」の気持ちが大切です。
<妊婦さんに要注意なもの>
*アルコール
NGです!
なかには気にしないなんて人もいますが、妊娠中はやめましょう。
なぜなら赤ちゃんの発育障害や知能障害、胎児性アルコール症候群のリスクが出てくるからです。
少ない量でも赤ちゃんへ影響が出てしまう可能性があることを知っておくことが大事です。
産後は授乳も始まりますし、アルコールでのストレス発散ではなく、他のものを見つけておくといいですね。
*生もの
サバやアジなどにはアニサキスという寄生虫がいて、加熱が不十分だとトキソプラズマやO-157の感染リスクがあります。
*ビタミンA
レバーやうなぎに多く含まれるビタミンAは、過剰摂取で赤ちゃんの奇形リスクが高まります。
毎日食べるなどの過剰摂取はやめましょう。
*水銀
厚生労働省の基準にあるように、一部の魚に含まれる水銀を摂りすぎると赤ちゃんへ影響が出てくるといわれています。
ミナミマグロ、金目鯛、メカジキは、1週間に摂取する量の目安があります。
ですが、毎日食べるわけではないので、たまに食べる分にはあまり神経質にならなくてもいいでしょう。
<まとめ>
体重を増やしすぎないようにとストイックになって、ストレスになるのはよくないですよね。
お腹の赤ちゃんにもママにとっても。
ストレスから暴飲暴食になっては今までの苦労が水の泡ですから…
体重の増えすぎはお産にも影響してきます。
まずはもともとの自分の体型チェックから始めて、食生活の見直しをしていきましょう。
体重が一気に増えてしまうタイミングも知っておくのも大事!
つわりが落ち着いたころやイベントは要注意です。
年末年始やクリスマス、帰省したときなどは、つい特別な気がして食べ過ぎてしまうことが多いですよね。
仕事をしていた妊婦さんが産休に入った途端に太ってしまうのもよく聞く話です。
今まで頑張ってきたし、お産後は出かけられないからと外食やスイーツが増えることも原因になっているようです。
すべてオーガニック食材にしたりサプリメントに頼りすぎたり…
極端にこだわって制限する必要はありませんが、ちょっとしたコツで体重をコントロールしながら、美味しく楽しく食事ができるといいですね!
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