産後ってどのくらい入院するの?
おっぱいは?~入院中の流れ
その傾向と対応策
長くて痛かった陣痛を乗り越えて赤ちゃんに出会えたママは幸せいっぱい!!
と同時にママの体は「妊娠前の状態に戻ろう」とし始めます!
ホルモンバランスも変わり、子宮もどんどん元に戻ろうと必死です。
赤ちゃんのお世話や自分の体のケアなどを整えるため、入院が必要になります。
経腟分娩の場合、だいたい4~5日間の入院という施設が多いですね。
また帝王切開の場合は7~8日間。
産院、大学病院、助産院など施設によって多少変わりますがおおよその目安になります。
ではお産のあとの入院生活はどんなものなのか見ていきましょう。
<お産当日>
①出産直後はそのまま分娩台で2時間過ごします。
(産後2時間は出血しやすかったり、血圧など変動しやすい状態なんです)
・ママのチェック
血圧測定、子宮の収縮状態、会陰の状態チェック、ナプキン交換
(産後は悪露といって生理のように出血しますのでナプキン交換をします)
・赤ちゃんのチェック
体温測定、心音チェック、酸素が十分足りているかなどの全身チェック
・初回授乳
産後1時間以内に分娩台の上で、初めての授乳をする施設が増えてきています。
母乳育児をしていくにあたって、生まれてから早めの授乳は効果的なんですよ!
たとえ母乳が出ていなくても吸ってもらうことが大事です。
カンガルーケアといって、赤ちゃんも裸でママのお腹に直接抱っこすることもあります。
お肌とお肌が直接触れ合うことで、赤ちゃんの呼吸も体温も安定します。
何より安心感がありママも赤ちゃんもうっとりするような時間になりますよ!
前もって助産師さんに確認し、可能な場合はぜひチャレンジしてくださいね。
②多くの施設がこの2時間で問題なければ、病室へ戻ります。
車いすや状況によっては歩いて帰室します。
LDRの場合はそのまま退院まで同じお部屋なので移動はありません。
③その後、問題なければトイレに行ったり食事をとってもOK
横になって休息をとることがメインになります。
<産後1日目>
少しずつ赤ちゃんのお世話を始めていきます。
①ママの生活
・自分でナプキン交換をし清潔にします。
清浄綿という滅菌された個包装のコットンが入院セットに含まれていることが多く、それを使って会陰を消毒します。
なかにはビデ用のボトルがついているところも。
・シャワーOK
多くの施設でシャワー、洗髪が許可されます。
産後は多少なりとも出血していますし、疲れも出ていますから無理のない範囲で!
・本格的に授乳がスタート
お産当日は新生児室で赤ちゃんを預かる施設もありますが、少しずつママが主体的に授乳を始めていきます。
抱っこの仕方、オムツ交換、おっぱいマッサージ、おっぱいのくわえさせ方、げっぷの仕方、授乳の記録についてなどひとつひとつ教わります。
やること、覚えることが山のようにありますね!
助産師が教えてくれるので安心してくださいね。
施設によっては授乳室という場所にそれぞれ集まって授乳することも。
3時間と決められていてみんな一斉に授乳する場合、赤ちゃんが泣いたらそれぞれ呼ばれる場合、母児同室といってママと一緒に過ごす場合などさまざまです。
それぞれメリット・デメリットありますが、バーズプランでも授乳のことは考えておくといいですね。
授乳室での場合は、他のママたちと話すことができるので情報交換の場になります。
経産婦さんや退院間近のママたちと話すのはいい刺激になりますよ。
デメリットとしては、他のママたちとオープンな環境であるということ。
お互い様ですが、胸を見られたくないなど思う人もいるかもしれませんね。
個人的な悩みを相談しにくいこともあるでしょう。
その場合は助産師と個別の時間を設けてもらいましょうね。
遠慮することはないですからね。
②赤ちゃんの生活
生まれた当日はこまめに体温や心音チェックを受けていた赤ちゃんも落ち着いてくる頃です。
・沐浴がスタートするかも?
出生直後は体温が下がるなど様々な理由で沐浴しないことが多くなってきました。
昔は「お湯沸かして~」なんていう時代もありましたが、今はタオルで拭くだけです。
沐浴も退院間近に行う施設も増えてきています。
・ビタミンKのシロップを飲む
ビタミンK欠乏による出血予防のため、シロップを飲みます。
入院中に2回、あとは一か月健診の時。
<産後2日目以降>
血圧測定、検温、体重測定、会陰の状態のチェックは適宜行われます。
赤ちゃんは毎日、検温や心音チェック、体重測定を行い全身チェックしています。
また黄疸のチェックや聴力検査、新生児マススクリーニング
(生まれつきの代謝異常などを血液検査するもの)
①食事・シャワー・授乳・トイレ以外は寝る!!
基本的に入院中はそんな毎日です。
赤ちゃんのお世話に慣れること、ママの体を休めること、回復させることが目的になります。
このころになると、赤ちゃんのお世話も慣れてきて授乳もなんとかできるようになってきます。
そして、産後の疲れもどっと出てくる頃です。
面会も増えてくるでしょう。
あまり長い時間の面会は控えて、休息第一にしましょうね。
施設側と相談して面会の制限(親族だけにするなど)も可能なので、無理しないように。
この時代ですから感染リスクの面から、最初から親族のみに限られている施設も多いかもしれませんね。
上のお子さんも面会できないこともありますので、上のお子さんの居場所についても事前に確認しておく必要があります。
②沐浴指導
赤ちゃんのお風呂=沐浴の仕方についてのレクチャーです。
赤ちゃんの人形を使って何人かで見学する場合や、自分の赤ちゃんを助産師が入れるのを見学するなどありますがまずは「沐浴見学」をします。
その後、翌日以降に実際に自分でわが子を沐浴させます。
緊張しますよね!ドキドキだと思いますが、ちゃんとそばに助産師がいますので安心です。
安全に沐浴できるようにレクチャーしてくれますよ。
③授乳指導
授乳の仕方は産後すぐに教えてもらいスタートしていますが、退院後の授乳のことも学んでいきます。
母乳育児希望であったとしても、いざという時のためにミルクの作り方は知っておく必要があります。
ミルクの種類、作り方、保存の仕方、外出時のポイント、哺乳瓶などの消毒の仕方など
また母乳でも搾乳といって、おっぱいを搾ることがあります。
その搾乳方法についても実際に練習しておきます。
搾乳器の種類や使い方、搾乳の保存、搾乳のあげ方なども知っておくと安心ですね。
④退院指導
産後1か月間の過ごし方について助産師からお話があります。
ママの体の変化について、心の変化について
(マタニティブルーや産後うつ)
赤ちゃんの過ごす環境についてなど、実際に家で過ごすポイントを教えてくれます。
個別に行ったり、集団で行ったり施設によります。
産後に不安なことがある場合は、きちんとクリアにして退院しましょうね。
⑤家族計画指導(ファミリープラン)
今後の妊娠についてのお話です。
今、お産が終わったばかりでそんなの考えられない~と思うかもしれんせんね。
でも、産後に生理が始まる前に妊娠することもあるんですよ。
排卵が起こっていればですけど…
・わが家は何人兄弟がいいのか、何歳差がいいのか?
・夫婦ともに年齢はどうなのか?
・いつまで働けるのか?
・経済的にどうなのか?
いろんなことを考えておく必要がありますね。
そして望まない妊娠を避けるためにも、正しい避妊の知識が必要です。
(本当はパパにも聞いてほしいんですけどね)
⑥退院診察
退院前日にすることが多いですが、子宮の戻り具合や会陰の状態、全身状態(血圧測定・体重測定・尿検査)などを医師がチェックします。
内診をし、必要な場合は会陰切開の抜糸をすることもあります。
(会陰切開は溶ける糸で縫うことが多く、抜糸は必要ないこともほとんどです)
<退院日>
退院診察で問題なければ、晴れて退院!
お会計を済ませ、保険で必要な書類を医師に記入してもらうのもお忘れなく。
出生証明書を受け取ります。
出生後14日以内に市区役所へ届け出が必要になりますので、赤ちゃんの名前などを記入して早めに届け出ましょう。
家族に頼むのが◎
ママも赤ちゃんも着替えて準備OK
さあ!退院です。
おうちでの赤ちゃんとの生活が始まりますね。
<おまけ~退院前日>
・大体の荷物は家族に持ち帰ってもらいましょう。
退院当日がラクチンですからね。最小限にしておきます。
・支払いの確認をしてもらいましょう。
入院費は前日までに支払うこともあります。
カード払いが可能かどうか、出産一時金直接支払制度*1)が使えるのかなど確認をしておきましょう。
そうじゃないと、大金を持ってくることになるので…お金は退院当日に家族に持ってきてもらうと安心です。
・ママと赤ちゃんの退院時の洋服を準備する
お産で入院した時に準備していなくても大丈夫ですが、前日までに用意しておきましょう。
入院時は
・夜中だったし、
・スリッパだった…
・パジャマしかない…
なんてことのないようにしたいですね。
靴は要チェックです。
ヒールのないもので履きやすいものにしましょう。
・車で退院する場合はチャイルドシートの確認
チャイルドシートは義務づけられていますので、必ず準備しておきましょう。
・家の受け入れ最終チェック
これはご家族にお願いしましょうね。
可能なら掃除してもらえるとさらに◎
せめて換気しておきましょう。
ママと赤ちゃんがすぐに横になれるよう布団やベッドの準備は必須です。
オムツ交換に必要なもの、ごみ箱などもそろっているか確認しておきましょう。
<帝王切開の場合>
入院期間は少し長くなって、7~8日間
手術当日は回復室で過ごすこともあるかもしれません。
施設によりますが当日や翌日に帰室します。
お腹に傷がありますからもちろん寝たままで過ごし、点滴から水分や栄養を補い、尿のカテーテルが入っています。
背中(硬膜外)からチューブで痛み止めを持続的に使用することもあります。
麻酔は下半身麻酔で術後2~3時間ほどで切れて、足の感覚も戻ってきます。
傷の痛みに加え、子宮が収縮するのでダブルで痛くなります…
痛み止めを使いながら過ごしていきます。
翌日には歩き始め、尿のカテーテルを抜いて自力でトイレまで行くことになります。
食事も始まりますが、抗生剤や水分補給の点滴が2~3日あることも。
授乳などは経腟分娩の人と同じようにスタートしていきます。
術後5日目くらいに抜糸をします。
退院診察は経腟分娩の人と同じですが、お腹の傷チェックがプラスされますね。
<まとめ>
お産が終わって2時間は体が大きく変化しているので、こまめに全身チェックを行います。
赤ちゃんも同じように、ぬくぬくと温かい子宮の中からこの世界にやってきて大忙しです。
自分で呼吸しなければいけないし、寒いし…
なので子宮の外に出てきて、この環境に慣れるまではこまめに観察をしていくんですね。
施設によっては、赤ちゃんもママも体調がよくて問題なければお産当日から「母児同室」となるところも増えてきましたね。
一緒に過ごすことで赤ちゃんのお世話ができるので、早く慣れることができます。
「泣いたらおっぱい」がすぐできるのも大きなメリットです。
赤ちゃんが欲しがったときに、授乳することは母乳育児を希望している場合にとても効果的なんですよ!
ただ赤ちゃんはよく泣きます…
出生後2~3日するとお腹の中にいたときの蓄えがなくなるためです。
そうすると、ママはなかなか休めないということになってしまい、睡眠不足や疲れが出てくることもあります。
母児同室は無理のない範囲で行いましょう。
施設によっては夜間のみ新生児室で預かってくれるところもありますよ。
また疲れた時だけミルクを足すなど、方法はいくらでもありますから大丈夫!
まずは助産師に相談してみましょう。
もちろん、産後の体調にも個人差がありますので無理はしないように!
入院期間は覚えることもたくさんあって大忙しです。
体の変化も大きいので、赤ちゃんのお世話以外はとにかく寝ることに専念してくださいね。
眠らなくても横になるだけでOK
子育てはこれからずっと成人するまで?続きます。
そのスタートですから焦らずいきましょう。
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