
「なんとなくだるい…」
妊娠中のだるさっていつまで続くの?
その傾向と対応策
妊娠中はホルモンの影響によって疲れを感じやすくなります。
これは普通のことですが普段とは違う「自分の体」にとまどい、不安もあるでしょう。
中期以降はお腹も大きくなってきて思うように体を動かせないこともあるかもしれません。
そして女性の体は自分が思っているよりもデリケートですから、メンタル面も影響してきます。
ではそんな「妊娠中のだるさ」について詳しくみていきましょう。
快適な妊婦生活のためにも予防法やケアを知っておきましょうね。
<妊娠初期のだるさ>
妊娠したことによって女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが大量に分泌されます。
月経前症候群(PMS)を引き起こすホルモンで、PMSのような症状が現れることがあります。
乳房の張り、強い眠気、だるさだけでなく、イライラしたり落ち込んだりといったメンタル面への影響もでてきます。
プロゲステロンは妊娠をキープするために必要で高温期が続きます。
そのことで体がほてったりだるくなるのです。
妊娠初期はホルモンバランスをはじめ、体が大きな変化をしています。
血圧の低下や血液量の増加もエネルギーを奪う要因になり、だるさを引き起こしていることになります。
またつわりなどで体力消耗していたり、ストレスや不安から不眠がちなことも影響しているでしょう。
妊娠して高温期が続きホルモンの影響を受けていても、胎盤が完成する頃(妊娠12~16週)には基礎体温も下がってくるので、ほてりやだるさは落ち着いてくることがほとんどです。
<妊娠中期のだるさ>
妊娠中期は初期の頃にたくさん分泌されていたホルモンに慣れてくるので、ホルモンによるだるさは軽減してくるでしょう。
妊娠中期のだるさの原因のひとつに貧血があります。
そのほとんどが鉄欠乏性貧血です。
赤ちゃんが育つことで母体の血液量は増えていきますが、イメージとしては「量が増えて内容は薄まる」ため貧血になりやすい状態になり正常の変化といえます。
症状としてはだるさや、ふらつき、息切れ、頭痛、めまいなど。
妊婦健診の血液検査で貧血と指摘された場合は、鉄剤が処方され治療できます。
場合によっては注射のこともありますが、内服では副作用として便秘や吐き気の可能性もあります。
できるだけ食事で補うことが予防にもつながるので気をつけていきましょう。
貧血と言えば「レバー」と連想されることが多いですが、妊婦中はにおいに敏感なこともあるので、わざわざ生のレバーを調理することはオススメしません。
調理済みのお惣菜でもいいし、レバー以外でも鉄分豊富な食材は、たくさんありますからレバーにこだわる必要は全くありません。
鉄剤の内服時もそうですが、鉄分の豊富な食事をするときにはビタミンCも一緒に摂ると体への吸収がよくなります。
例えばほうれん草のお浸しにレモン汁をかけてみるなどの工夫をすると効率いいですね。
*鉄分の豊富な食材
ほうれん草・小松菜・きくらげ
カキ・カツオ・キハダマグロ
卵・牛乳
大豆・納豆・豆乳
海藻類(ひじき・岩海苔)
<妊娠後期のだるさ>
後期に入るとお腹が大きくなってきて体が重たくなってくることからも疲れやすくなります。
腰痛やお産への不安や期待といったメンタル面も影響してきます。
お腹の赤ちゃんの頭で膀胱を圧迫することから頻尿になり、夜の睡眠の妨げになることもあります。
<だるさの予防・ケア>
①十分な休息をとる・無理をしない
とにかく無理をしないこと。
できる範囲で、母体とお腹の赤ちゃんを優先してあげましょう。
といっても現実は、いつでも眠れるわけではありませんよね。
仕事中などは可能であれば、足を椅子の上に上げることで、少し楽になりますし、デスクにうつぶせて、目を休ませるだけでも違いますよ。
15~20分程度の昼寝はオススメです。
それ以上の長い昼寝はかえって頭がボーっとしてしまったり、夜眠れなくなるので気を付けましょうね。
自宅にいる時は、なるべく横になった方がいいですね。
テレビを見ながらゴロンとなるのもいいですが、目を使うと神経は休まらないので好きな音楽をボリュームを下げて流すくらいがいいででしょう。
疲れたと感じたら早めに休むことが肝心です。
②バランスのとれた食事
つわりが落ち着くまでは食べられる時に食べられる物を食べましょう。
治まってきたらバランスも考えていきましょうね。
疲れやすい原因の一つは貧血とも言われているため、貧血予防は大切になってきます。
上記にあるようなたんぱく質・鉄分を意識しましょう。
③十分な水分をとる
1日1.5~2リットルの水分を目標に!
日中は積極的に飲んで、夕方からは控えめにすると夜間のトイレの回数が減るかもしれません。
できればホットドリンク、せめて常温のものにすると体が冷えないですね。
④生活習慣を見直す
疲れたら休むのは鉄則ですが、起きる時間や寝る時間は毎日同じ時間にすることでリズムが整います。
できれば8時間以上の睡眠時間を目指して体を休めてあげましょうね。
お腹が大きくなってくると寝る姿勢も工夫することで、より快適な睡眠時間になります。
室温や湿度、寝具ひとつで眠りやすくなることもありますよ。
抱き枕などのクッションを使うのもオススメ。
授乳クッションにもなるタイプは産後も長くつかえます。
⑤適度な運動をする
安静にばかりしていると、あっというまに筋力が落ちてしまって余計に疲れやすくなります。
無理のない範囲での運動は筋力をキープするだけでなく、気分転換にもなりますのでオススメです。
お風呂上がりのストレッチや近所を、お散歩することから始めてみませんか?
⑥ストレス発散・リフレッシュする
だるいからといって寝てばかりいないで体を動かすのもひとつの方法です。
好きな音楽、食べ物、飲み物、香り…
気分転換できるようなアイテムがあるといいですね。
妊娠したから胎教にいいクラシックを好きでもないのに聴くことは私はオススメしません。
Α波によってリラックス効果があるとしても、そもそも嫌いならロックでも好きな音楽を聞いた方がリラックスできるでしょう。
また無理にハーブティなどのノンカフェインにこだわらなくてもOK
もちろん、ノンカフェインの方が好ましいですが、コーヒーなどカフェインを含むものでも1日3杯程度ならお腹の赤ちゃんに影響ないといわれています。
それよりもカフェインを欲してしまう状態が心配です。
興奮していたり、気分の高まりや刺激を無意識に求めていることがあるからです。
ストレスを抱えているときに欲することがあるので、カフェインではなくリラックスできる方法を見つけておくのも大事なことですね。
アロマに関しては妊娠中には使えないものもあるので注意しましょう。
店員さんに妊娠していることを告げて相談してから購入すると安心です。
<だるい妊娠中を快適に過ごすコツ>
①服装にこだわってみる
オシャレをしましょうという意味ではなくて、妊娠中だからこその服装選びをしましょう。
・締めつけるようなパンツスタイルよりも、ウエストがゆったりとしたスカートにする。
・下着も含め肌触りのいいものにする。
普段は平気でも妊娠中は敏感なので、化学繊維のものはチクチクしたり不快なことがあります。
せめて下着はコットン100%にするといいですね!
・冷え対策ができるように、特に下半身は気を付けましょう。
レッグウォーマーは季節を問わずオススメ。
夏は麻のタイプにすると意外と蒸れませんよ。
・カーディガンやストールなどの羽織れるもので室温調節する。
②勇気を持って自分の気持ちやつらいことを伝える
つい無理をしてしまったり、「言わなくても気付いてよ」
なんて思っていたらダンナさんや周りの人には「目に見えないだるさ」は伝わりません。
残念ながら特に妊娠経験のない人、男性には理解するのは難しいのが現状です。
ダンナさんも何かしてあげたい気持ちはあっても、どうしていいのかわからなかったりするんですよね。
だからこそ、きちんと言葉にして何をどうしてほしいのか、伝えてあげることが大事!
できるだけ細かく具体的に伝える方が男性に伝わりやすいです。
その方が「なんでわかってくれないの?」なんてイライラすることもなくなりますしね。
③手抜きにチャレンジする
なんでも自分でこなしてしまうと、どこかで無理がきてしまいます。
体調がいい時はできるかもしれませんが、妊娠後期になって思うように体が動かない事もあるでしょう。
また産後は慣れない赤ちゃんのお世話も加わりハードな毎日が待っています。
何かあったときにというより、今後の生活も考えてダンナさんの協力は必須になってきます。
難しいお料理を作るなんてことは必要ありません。
・ゴミを集めて出す
・お米をといで炊く
・洗濯機を使える
・お風呂掃除ができる…
日常の家事を覚えてもらえると産後がとってもスムーズになります。
是非、「ダンナさんの家事トレ」始めて下さいね!
ポイントはしてほしいことを具体的に伝えること、感謝の気持ちを言葉にすること。
大げさなくらいに褒めてあげましょう!
あとは家事代行サービスや家電の力を借りるのもひとつですね。
食洗機やお掃除ロボットなど家事の時短になる家電があることで、体を休める時間がとれ精神的にも余裕がうまれます。
食材宅配サービスもお試しがあったり、子育てママへの特典が付いていることもあるのでお手頃です。
④自分にご褒美をあげる
心と体は密接に関係していますから、ご褒美があることで、やる気が出てきたりモチベーションがあがったりします。
どうしても休めない仕事や、やらなくてはいけない家事などを頑張ったら、ちょっとしたご褒美を用意してあげましょう。
自分で自分にご褒美をあげることは、実はとっても大事なことなんですよ。
自分で自分を認めてあげる、受け止めている証ですから、お腹の赤ちゃんもきっと心地いいと思います。
好きなものを食べたり、ドラマを観たり…
日常でできる範囲で自分を甘やかしてあげましょう。
⑤味方・サポーターをつくること
ダンナさんはもちろんですが、職場の上司や出産経験のある女性に相談するのも効果的です。
だるいときに手を差し伸べてくれたり、産後においてもサポート役になってくれるでしょう。
両親や義両親などにお世話をお願いすることも大事です。
力になりたいのに遠慮している場合もあるので、甘えることで喜ばれるケースも多いです。
ただ親族だからこそのプライバシーがないなどの弊害もあることが…
どの範囲までのサポートをお願いするのかなど
両者できちんと話し合っておくことが◎
近くに親族がいない場合は、自治体のサービスをチェックしておくと安心です。
自分でわからなくても市・区役所で相談すると紹介してくれますので、様々な方法を調べておくといいですね。
<まとめ>
妊娠すると様々な変化がでてきますね。
特に「だるさ」はうまく表現できないけれど体も心もどんよりしているので、つらいことのひとつかもしれません。
妊娠初期はお腹も目立たないし周りの人も気がつかないことが多いものです。
少し勇気がいるかもしれませんが、つらいことを言葉にして伝えてみましょう。
意外と気にしていてくれていたけれど、何をどうしたらいいのかわからなかった、なんてこともありますよ。
誰かに話したり気分を変えるだけでもよくなったりするのが妊婦さんです。
身近な人には話しにくいときなども含め、どんどん私を活用して下さいね!
長いようで短い妊娠ライフですから、楽しんで少しでも快適に過ごせますように。
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